酒の肴 No.5
2000/03/21

「歌枕・塩竈の話」

1998/10/15 団塊の世代MLに投稿

塩竈の高台に住んでますが、雪の朝、松島を見ると、やっぱりいいな、と思います。
正月は元朝参りはもちろん、塩竈神社。玉砂利、長い階段と、気分は最高です。
寒いですが、たくさんのひと、ひと、ひと....元日だけで、30万の人が来ます。
#塩竈市の人口の5倍の人...(@_@;

本当は3日の仙台初売りよりも早く初売りをする、塩竈は、2日スタート。

塩竈というと、酒...浦霞(うらかすみ)
というと、この歌...

金塊和歌集・源実朝の歌
塩かまの 浦の松風 霞むなり 八十島かけて 春の立つらむ

が名前の由来です。
で、塩竈を歌枕にした、和歌の数々...

歌枕は「塩かま」で、「塩がま」ではないようです。

古今和歌集で、貫之は、
河原の左のおほいまうちきみの身まかりてのち、かの家にまかりてありけるに、しほかまといふ所のさまをつくれりけるをみてよめる
君まさて 煙たえにし 塩かまの 浦さひしくも 見えわたる哉

新古今和歌集で、紫式部は
世のはかなきことをなけくころ、みちのくにゝ名ある所〈々〉かきた繪を見侍て
見し人の 煙になりし 夕より 名そむつましき 塩かまの浦

續古今和歌集で、後鳥羽院は、
塩かまの 浦のひかたの あけほのに 霞にのこる 浮嶋の松
正三位知家:
塩かまの 浦のけふりも 有物を 立名くるしき 身の思ひかな
本院侍従:
外さまに なひくをみつゝ 塩かまの 煙やいとゝ もえまさるらん

これらは、塩竈、千賀浦(現:塩竈港)を詠んでいます。

新續古今和歌集では、権大納言實量:
秋きりの 籬の嶋の へたてゆへ そこともみえぬ ちかの塩かま

新後拾遺和歌集では、正三位知家:
春の色は わきてそれとも なかりけり 煙そかすむ 塩かまのうら
権僧正頼印:
こと浦の 春よりも猶 かすめるや やく塩かまの 烟なるらん
為冬朝臣:
塩かまの 浦より外も かすめるを おなし煙の たつかとそみる

詞花和謌集巻第一に、源俊頼 の、
須まのうらに やく塩かまの 煙こそ 春にしられぬ 霞也けれ

新後拾遺和謌集巻第一で、正三位知家:
春の色は わきてそれとも なかりけり 煙そかすむ 塩かまのうら
権僧正頼印:
こと浦の 春よりも猶 かすめるや やく塩かまの 烟なるらん
為冬朝臣:
塩かまの 浦より外も かすめるを おなし煙の たつかとそみる

續後撰和歌集巻第一では、後嵯峨院:
塩かまの 浦のけふりは 絶にけり 月見んとての 海士のしわさに
読人不知:
塩かまの 浦とはなしに 君こふる 煙もたえす なりにける哉
山口女王:
我思ふ こゝろもしるく みちのくの ちかの塩かま 近付にけり

ちなみに、塩がま という文字は、「奥の細道」鹽竈神社のところで
早朝塩がまの明神に詣。国守再興せられて....
というくだりで見ることができます。
村松淳司